工務店塾・小野先生のメールニュースを転載させて頂きます。さて今回は、「経営の方向性」についてですよ。3分くらいで読めますので 最後までお付き合い下さい。
今回のお代は工務店経営の方向性についてです。
昨年の反省も込め、春に向けての営々戦略に関して考える時期でもあると思いますが、経営の方向性を考える上でどうしてもどちらか一つを選択しなくてはならない場面に出くわすことがあります。
コインを投げて、表か裏か?… 経営ですからそうはいきませんね。
そんなときは良き相談者がいれば幸いですが、経営者はいたって孤独です。ある一定の、法則に基づいて判断したいのですがなかなかそんな便利な法則がありません。しかし、工務店塾が以前から推奨している”ランチェスターの法則”はそんな経営者の皆さんの戦略構築にはもってこいの法則です。
割に忘れてしまうことですので、再度基本に戻ってここで確認してほしいのです。簡単なイラストと併せてお話していきましょう。
真っ平らなフィールドで赤組が400人、白組が200人(この場合人数は4人と2人、40人と20人でも同じです)が同じような武器を持って戦った際に1:1の戦死者が出ます。つまり、最終的には赤組が200人残って白組が全滅するのですが、戦死者の割合は紅白共に同じ結果になるのです。(接近戦)
さて、戦うフィールドは変わって、今度は川を挟みました。赤組が狙われる確率は2分の1(0.5)白組が狙われる確率は1分の2(2)になります。人数の割合は2:1ですが狙われる確率は4:1になります。つまり遠隔戦の場合小数の白組は非常に不利な状況になるのです。
私たち、小規模の企業はここで分かるように赤組と同じように遠隔戦で戦うことはできません。よく大きな住宅会社を退職して独立した社長さんは、昔が忘れられずサラリーマン時代と同様の戦略に走りがちですがそれは大けがのモトになるのです。
大企業と同じスタイルで営業できるのはとても気持ちいいものです。きれいな名刺にきれいなホームページ…しかし、一生懸命、弾を撃っていても思ったような効果が現れないのはこの遠隔戦に足を踏み入れてしまっているせいだと思って下さいね。
白組の小規模経営者は、常に接近戦を選択することが肝心です。
強者(赤組)と弱者(白組)に別れてしまうわけですが、弱者企業は強者企業と真っ向勝負をしてはいけません。予想以上に差が開いてしまうからです。しかし全てのジャンルにおいて零細企業が弱者というわけではありません。本来は弱者企業であっても、事業を細分化した場合には強者企業に勝っている分野が必ずあるはずです。
例えば、
依頼を受けてから工事着工から工事完成までは異常に早くこなすことができる。
デザイナー出身で他にもデザイナー同士の横のつながりがあるので、デザインに関しては大手企業に勝っている。
等々、あなたの社内を良く見渡してみます。きっとどのライバルにも負けないジャンルがあるはずです。そのジャンルを売り込む場合は、赤組のスタンスで戦うことができるわけです。
大企業の場合、豊富な資金力でテレビのCMや折り込み広告を打ってきますから弱者企業の場合はとてもその資金力と戦うことはできませんね。ですから、ホームページの検索結果を上位に表示させる”SEO”に力を入れるとそこは大企業も弱者企業もありませんから対等に戦える土俵になります。
また、ホームページの構成も大企業の場合は企業力をアピールします。弱者企業の場合は逆に小さくて小回りが効くことや工事の実行金額が安いことや営業、積算、現場管理が同一の担当者が責任を持って行うことをアピールし担当者の紹介や顔写真は欠かすことができません。会社の隅々まで見渡せるようなホームページ構成にする必要があります。企業力を売り込むよりは人間力を売り込む必要があるのですね。
このような,自社の特徴や長所を最大限に売り込むことによって他社との差別化が図られ顧客に受け入れられやすくなるのです。
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